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親子留学体験記

私たち親子(母と息子5歳)は 2007年1月から3月初旬まで、オーストラリアのメルボルンに親子留学しました。ほんの短い期間ではありましたが、思い切って行ってよかったと思える、中身のギュッと詰まった充実の2ヶ月間となりました。

子どもの英語に関心のある方、親子留学がなんとなく気になる方は、ぜひのぞいてみてください。このページではそのときの様子をご紹介します。


どうせ行くなら憧れの街に!

人口約370万人、シドニーに次ぐオーストラリア第二の都市であるメルボルンは、世界の人気都市ランキングでも常に上位に名を連ねる街です。美しい街、都会でありながら緑豊か、そして治安がいい、というのが最初の私のイメージでした。

「メルボルンの幼稚園か小学校にいつか息子を通わせてみたいな〜」と漠然とした憧れを抱きながらインターネットで調べてみると、メルボルンの1年生はどうやら1月末に入学するということがわかりました。

そこで突然、日本の小学校入学に先がけて、メルボルンでちょっとだけ小学校をプチ体験しちゃおう!と思いつきました。息子もこのおもしろそうな計画にノリノリでした。


できるだけお金はかけずに!

留学というとすごくお金がかかりそうですが、エージェントに仲介を頼まなければ実費だけで済みます。最初はエージェントさん何社かに見積もりを依頼しましたが、どこもかなり高額なので諦め、自分で手続きをすることにしました。そして、やってみたら実はそれほど難しくありませんでした。ノウハウさえわかれば、少しの英語力と、あとは熱い思い(?)で十分です。

必要なのは、1. 行きたい学校を決め、メールで受け入れをお願いすること  2. オーストラリアの教育科学訓練省に申込書を送ること  3. 住むところを決めること です。

それから、息子が小学校に通っている間、私も語学学校などに通うべきか悩みましたが、ここでもお金を節約することにしました。そして結果的には、なんと「ただで」英語の勉強を存分にすることができました。私は毎日のように小学校の授業に参加し、図書館などで先生のお手伝いをしていましたから!(^-^)v


ホームステイ先にはこだわって!

住むところについては、最初はアパートやコンドミニアムも探してみましたが、2ヶ月と短い期間だったので、ホームステイを体験してみることにしました。

しかし、短いといっても2ヶ月も住むところです。絶対に納得のいくところに住みたいっ! ホームステイ先探しには、全労力の80%くらいを費やしたと思います。

そして最終的に私たちがお世話になったのは、弁護士の旦那さんと教育カウンセラーの奥さん、そして8ヶ月の赤ちゃんとたくさんの留学生のいる賑やかなご家庭でした。

渡航前にもご親切にいろいろとアドバイスをしてくださったので、安心してメルボルンに飛ぶことができました。


未知なる体験のはじまり

そしてついにメルボルンに到着です。飛行機で成田から約10時間。南半球なので季節は日本と逆です。

節約留学なので、空港からもタクシーには乗らず、バスと電車を利用しました。左の写真はシティの玄関口にある「サザンクロス駅」。波状の斬新な屋根が特徴的なモダンな駅です。

それにしても、到着初日に一番驚いたことは、あまりにも人が親切なこと!!! こちらが申し訳なくなるくらい、どこにいってもみんな親切です。

駅員さんに電車の乗り方を聞くと、わざわざチケット販売機まで行って一緒に買ってくれます。少し離れたところにいた駅員さんまで、何か困っていることはないかと聞きにきてくれるほどです。


申し訳ないくらい親切!

本当にメルボルンにいると親切な人が多いことに驚きます。

バスの中で荷物を棚に載せようとすると、近くにいた二人の男性がさっと立ち上がり手伝ってくれました。そのうちの一人は高校生くらいに見えます。まだ若いのに気がきくなぁと感心もしきり。

電車に乗ってホームステイ先の最寄の駅で降り、どこでタクシーを拾ったらいいのかとキョロキョロしていると、若い女性が声をかけてくれました。行き先の住所を言うと、なんとこの女性は、オフィスに戻ってわざわざタクシー会社に電話をかけてくれました! 

私も息子も、2ヶ月間ずっとこの「人の優しさ」を感じて過ごしました。5歳の子どもにも、この辺の文化の違いは感じとれるようで、「メルボルンの人は、すぐ友達みたいにニコニコやさしくなる」という表現をしていました。


とにかく広い!

私たちがホームステイしたのは、メルボルンの中心部から電車で20分くらいのところです。ちょっと歩くと素敵なお店やカフェが立ち並ぶ、人気の郊外の街です。

この写真は近所の公園です。ホストファミリーは「近所の小さな公園」と呼ぶのですが、その広さはハンパではありません。写真中央のほこりのようなのが息子です。

メルボルンはどこにいっても広々とした公園がたくさんあります。また、滑り台などの遊具の下には必ずウッドチップややわらかい素材のマットが敷き詰めてあります。子どもにとってはまさに天国です。

偶然メルボルンで日本の「公園デビュー」に関する記事を読みました。 この広々とした公園を見ていると、スペースの広さとストレスとは無関係ではないと感じずにはいられません。


小学校

これが、息子が1ヶ月半通った公立の小学校です。とてもこじんまりとした小学校で、私たち親子を温かく迎え入れてくれました。

日本では、学校への人の出入りにもっと慎重だと思うのですが、この学校では、朝オフィスに行ってバッジをもらうと、1日中授業を見ていることができます。お迎えの時間には犬までもが校庭に入ってきて家族の帰りを待ちます。ほのぼのとした雰囲気です。

イベントもいろいろあります。私たちがいる間には、ブッシュダンスパーティーやパンケーキデイ(校庭でパンケーキを焼き、一人2ドルで買って食べるチャリティー)、ウォーキングデイ(車に乗らず、歩いて登校しようという日。朝ごはんを校庭で食べる)などがありました。親が協力・参加する機会がたくさんあります。


ある日の授業1

息子がいた1年生のクラスでのある一日を紹介します。

朝、まずみんなで丸くなって床に座り、空想のボールで遊びます。これはどういうものかというと、一人が空想のボール(ただの空気)を手に持ち、それを例えばドラゴンに変えて空に放ちます。教室の中にドラゴンが現れたのでみんなは大騒ぎ。何とかそれをつかまえてまたボールの形に戻します。戻したら隣の人に回して・・・、という遊びです。

それが終わると、教室の隣のプレイルームに移動してみんなで体を動かして遊びます。日本の小学校と比べると、椅子に座っている時間がかなり短いです。

10時にはフルーツタイム。本を読む先生のまわりに座り、家から持ってきたフルーツを食べます。

(続く↓)


ある日の授業2

次は算数。クラスを4つのグループに分け、計算プリント、ゲーム、形のパターンづくり、お店屋さんごっこ、に順番に取り組みます。

机は一人ひとつではなく、少し大きめの机を自由に組み合わせたところに4〜5人が一緒に座っています。先生の話を聞くときは先生の周りに集まって座って聞くことが多いので、机は作業をするときに使う台という感じです。

そうこうしているうちに11時のスナックタイム。シリアルバーなどを食べます。

少し長い休み時間のあと、次は「脳」について学びます。このときは、学校全体でのテーマが「脳」。どの学年もさまざまな角度から脳について勉強していました。1年生では大脳、小脳、脳幹や右脳、左脳について説明を聞き、自分の脳の中の絵を描いたりしていました。

(続く↓)


ある日の授業3

1時にはランチタイム。なんだかしょっちゅう食べてます。(^-^; ピーナッツバターサンドやハムチーズサンド、野菜スティックや果物などを持ってくる子が多かったです。息子が持っていく野菜炒め丼(夕食の残りをご飯にかけたもの)などはみんなに不思議(不気味?)がられていました。

ランチを食べるときも、だいたい床に座って先生が読んでくれるお話を聞きながら食べます。靴はもちろん土足ですが、床にランチボックスを置いて食べます。細かいことは気にしないのです。

こちらでは、衛生に関する意識の違いを感じます。ランチの前に「手を洗いなさい」などと言うことはありません。これは、オーストラリアで続いている深刻な干ばつも関係しています。学校でも節水に努めています。

(続く↓)


ある日の授業4

最後は日本語の授業。この学校では英語と日本語のイマージョン教育を実践していて、毎日日本語の授業があります。日本人の先生がいて、基本的には英語を使わずに授業をしています。体育や図画工作の授業も日本語で行われていました。

この日は「鬼のパンツはいいパンツ〜♪」を振りつきで楽しく歌っていました!

そして3時半に下校です。


友達

1クラス17人という少人数のクラスだったので、息子もすぐに全員の名前を覚え、みんなと仲良くなっていきました。

最初は息子のつたない英語で友達ができるのだろうかと心配していましたが、友達は登校初日からできました。子ども同士の会話にはつたない英語でも十分なようです。そもそも子どもというのは言葉で友達を作るわけではないようですし・・・。(^-^;

そして3週間も経つころには「大親友」と本人同士が呼びあうほど仲のいい友達ができ、毎日時間が足りないほど遊んでいました。

英語のほうもかなり流暢になり、現地の子のボケにつっこみを入れるまでに成長(?)していました。


英語

最初は現地の小学生にまじってどうなることかと思っていましたが、子どもはあっという間に友達を作り、そこに自分の居場所を見つけたようでした。

現地の子と同じようにしゃべれるわけではありませんが、リスニングができる、つまり「相手の言っていることがわかる」ことで、すぐに仲間の輪の中に入ることができました。

子どものことですので、英語力がなくてもなんとかなるのだと思いますが、それでもやはり、少しでもいいので英語の基本的な力が備わっていたほうが、留学を何倍も楽しいもの、素晴らしいものにできるのだと実感しました。